健康ファミリー 2001年1月号掲載

かぜ薬にも危険な副作用が

 インフルエンザやカゼの流行る季節になって、「カゼ薬」の副作用の問題が内外共に急浮上してきました。

 インフルエンザの予防の第一は予防接種だ、というのは製薬メーカーや医療機関で す。予防接種には健康保険が効かないため、1回に3千円から5千円くらいかかるそうです。今年の状況判断から、厚生省では昨年の倍の700〜750万本の供給を確保したと いいます。このインフルエンザワクチン製造に対しては,厚生省・国立感染症研究所 (新宿・戸山) と製薬メーカーの間で数年前疑惑がもたれたいきさつがあります。

 つまり厚生省がインフルエンザ予測を出し、ワクチン製造メーカーが予測数に応じた ワクチンを製造する仕組みなのです。インフルエンザ猛威が当たれば、製薬メーカー はボロ儲けになるわけです。昨年は猛威をふるったインフルエンザですが、ワクチン 製造を抑えたため、各所で大幅な不足が生じました。その結果 、今年から来年にかけ て、昨年の倍の数量を製造させたわけです。

 いっぽう、インフルエンザの流行と共に、解熱剤も大量 に使用されるわけです。厚生 省では11月15日に、解熱剤の「ジクロヘナクロリウム」を含む製剤・商品名「ボルタ レン・ノバルライス製」「アデフロニック・大洋製」「イリナトロン・辰巳製」「ア ナバン」などが、インフルエンザに伴う脳炎や脳症を引き起こし、死亡させる事故が 多いため、使用禁止にしたのです。

 さらに米国食品医薬品局(FDA)は、市販のカゼ薬に脳出血の副作用を引き起こす危 険があるとして、製造を差し止める措置をしました。米国での市販のカゼ薬やダイ エット薬に含まれる「塩酸フェニルプロパノールアミン(PPA)」が、脳出血の副作 用を起こすわけですが、このPPAは、日本の大手製薬メーカーの鼻炎薬やせき止め 薬、かぜ薬などに含まれています。タケダ製薬のカゼ薬「ベンザ」シリーズをはじめ 「コルゲンコーワ」「コンタック」「ストナ」など、PPAを含むものは8割もあると いいます。(朝日新聞11月15日)

 いずれの薬も、原因を取り除くものではなく、痛みや熱を一時的に抑えるための対症 療法向けです。したがって根本療法、根治治療にはこれらの科学薬はリスクが伴うの です。

根本療法の選択肢は多い

 その根本は、カゼにかからない体・体力をつくることです。昔からカゼやインフルエ ンザ対策としての第一は、手洗い、うがい、人混みを避け、体を温ため、体力をつけ ることが言われてきました。

 カゼやインフルエンザに対する生活習慣は、手洗いやうがいの他に、暴飲暴食をしな いことです。カゼかなと感じたその時(のどのかすれや寒気など)に、すぐに対応す るようにしたいものです。空気が乾燥した冬の日は、ウイルスが飛び交っているわけ ですから、口でのうがいはもちろん鼻腔からの鼻うがいも大切です。カップに自然塩 をティースプーン3分の1量を入れ、微温湯にして鼻うがいと口うがいをします。 慣れない人は、片側ずつ鼻腔を通して口から出します。2〜3回通 して残った微温湯で 口うがいをするとよいでしょう。カゼが進行して鼻づまりや微熱がある場合でも、塩 水の微熱湯での鼻と口のうがいは、細菌にまみれた鼻汁を積極的にだして、気分を すっきりさせてくれます。

 寒気を感じた時は、熱が出はじめるときです。子供の場合は、動き回って汗をかき、 それが元で冷えて寒気を感じる時がい多いものです。そんな時は体の芯から温まる、 消化のよいものを食べさせることです。肉や油脂食品など、消化に時間のかかるもの は避けます、この食べ方は大人も同じです。

  大人の寒気は、背中の風門からきます。肩甲骨の間の風門あたりにゾクッときたら、カゼの第一歩です。ホッカイロを背中や腰にあて、首を冷やさないようにして体を温 めます。寝る時の首や肩のバスタオル1枚は、保温に役立ち体力を逃しません。

 風呂の入り方は、腰湯、つまり下半身浴で血行を促し全身を温めることです。その時、生姜をすりおろし、木綿袋などに入れ、汁と一緒に湯の中に入れます。こうして 下半身浴をしますと、下半身が真っ赤になり、上半身に汗をかいてから洗います。あ がる時には下半身や全身に冷水をかけるのが理想ですが、無理をしないでぬ るめのお 湯を全身に、足元に冷水をかけて出ます。

 カゼ予防の食べ物は、体が温まって体力のつく、根菜類の煮物が一番です。筆者はけ んちん汁が好きで、これを肴に晩酌をします。さらにニンニクを入れたものを食べま す。その上で天然もののビタミンCや玄米酵素ハイ・ゲンキ、小麦胚芽やリブレフラワー、葉緑素・ヘリクロゲンなどをカップに入れて溶き飲みます。

 ポーレンリフは、一回に3包飲むと体温が上がってくるのがわかります。低体温の子 供や大人が増えていますが、ポーレンリフはホルモン作用に働いて体温を上げ、循環 をよくしてくれるため、赤ちゃんからお年寄り、病人など幅広く使えます。ポーレン リフは1回に3包で1日3回は飲みますが、ホルモン系統のバランスをとるためには、 常時血中に溶かし込んでおくことが大切です。

 今年からはあなたの健康づくりのお手伝い役として、本誌では選択肢の提言をしてゆこうと考えています。その第一弾としてカゼ対策をとりあげました。

 カゼ対策一つとっても、その選択肢はあ広いものです。予防注射やカゼ薬を絶対視し て「寝て待つ」方式がいいのか、日頃から、万病の元といわれるカゼを寄せつけない 体づくりをしておくか、分かれ道はあなた自身だということを忘れないで下さい。


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