● 宰相の病気が教えるもの

 日本人の三大死亡原因はガン、心臓病、脳血管障害です。これ以外の疾患ならば容易に死ぬ 事はない、とたかをくくっている人たちのなんと多いことでしょうか。小渕前首相を襲った「脳梗塞」は、政治の世界に混乱を棚ぼた式ニンマリ宰相」が誕生したわけですが、その前身には心臓病が控えていたといわれます。

  脳梗塞の前兆は、手足がまひして、言葉が出なくなるーといわれます。小渕前首相のテレビの10秒間の放心状態が、これらの前兆にあたるとみられ、発症から数時間もたってからの政府の記者会見は、内容説明になっていないことが指摘されています。ここで脳血管障害の系統について考えておきたいと思います。総称としては脳卒中といわれ、それまで健康体と思われていた人が、ある日突然意識を失って倒れ、半身不随や言語障害をおこし、最悪は数時間で命を落とす恐ろしい病気です。
  脳卒中には、血管が破れて出血する(1)頭蓋出血と、血管 が詰って血液がその先の細胞に運ばれなくなって脳組織が死んでしまう(2)脳梗塞の二つに分けられます。
 (1)の頭蓋内出血には、脳そのものに出血した「脳出血型」と、脳の底面 にある動 脈の一部が、こぶのようにふくらみ動脈瘤が破れるか、または脳の動・静脈奇形が破れておこる「くも膜下出血型」の二通 りがあります。
 (2) の脳梗塞は脳軟化といわれていました。脳梗塞には、脳の動脈に動脈硬化が進んだ結果 、血液のかたまり(血栓)が詰まる「脳塞栓型」に分かれます。つまり小渕首相は心臓血管内に出来た血栓が、脳動脈に流れ込んで、血液の流れを塞ぐ脳塞栓型の脳梗塞というわけです。

  現代医学の粋が集まっている順天堂大学病院で、なぜ治療が進まなかったのか、と 一般の人は疑問に思うでしょう。専門家によれば「心臓が原因の脳梗塞は、重大な結果 を招きやすい」(朝日新聞・都老人医療センター・山之内博内科部長)といいます。筆者の近縁の医師は「推論だが」と前置きして「たぶん風船による血栓破壊が失敗したのではないか。成功していれば、もっと早く医師団から発表されているはずだ」と発言されています。その成功率は 2割とも3割ともいわれます。さて、脳卒中をおこしやすい人の危険因子はどんな生活習慣の人に多いのでしょうか。

 高血圧症 最低血圧の高い人は動脈硬化の傾向によるため、大きな要因になります。もちろん最高血圧が極端に高い人も要注意です。
 飲酒習慣 長期多量の飲酒習慣は高血圧と関係があって危険要因。
 自覚症状 日ごろから頭痛、めまい、手足のしびれといった脳動脈硬化症の自覚症状を訴えている人に、脳梗塞の発病が多いとされています。
全般の生活習慣の注意として、高血圧症、飲酒、日ごろの自覚症状の他に親兄弟に脳卒中を発病した人がいれば自らも最大の注意が必要です。

 つまり高血圧、心臓病、糖尿病、高脂血症、飲酒習慣のすべてが日常生活の中にあれば、40代を過ぎていると、いつでも脳卒中(脳出血、くも膜下出血、脳血 栓、脳塞栓)にかかりやすいといえるのです。加えて、日ごろの食習慣です。とくに肥満と結びついていれば、さらに発症が加速されるというものです。白米食に動物性の肉や脂肪、天ぷら、フライ、バター、マーガリン、 マヨネーズの常食、飲酒後のラーメンの常食、白パンに甘いお菓子類、ジャムやママレード、ハンバーグ、チキンバーガー、フィッシュバーガーに油が濃厚なスパゲティーと、こうした食品を1日に2品も3品も食べつづけていたのでは、コレステロール上昇、高脂血症で肥満の道を歩むことは必至です。

 現代栄養学で言う栄養成分から見れば、たん白質、脂肪、炭水化物、ビタミンやミネラルは、どれも必須の成分ですから、前記のものを組み合わせて上手に食べなさい、となります。そうした長年の食生活習慣が多くの人を、生活習慣病へ引 き寄せていることに気付かなければなりません。加えて加工食品、インスタント、レトルト食品群には、不必要な着色剤、粘着剤、増量 剤などが含まれています。食べてはいけないものと小誌が30年以上も前から指摘してきた加工食品群。これらには、味の素に代表される旨味調味料と名を変えた「科学調味料」 が、さらに名を変えて「アミノ酸調味料」と表記され、混入されているのです。名前は旨味調味料となっても、アミノ酸調味料となっても、中身は純粋な医薬品と同等な「化学調味料」なのです。よく例えに出しますが、農水省食品研究所の技官は「食品添加物で死んだ人はいない」と断言しますが、それは、因果 関係科学的に証明されていないだけで、食べ過ぎて健康を害している人があいることを知れなければなりません。こうした食生活習慣を見直すには基本の主食に玄米雑穀、玄麦パン、ソバなどを据え、副食に野菜、海藻、小魚、豆類、豆加工品、種子類の調理品を食べ合わせることです。「学齢前からすでに動脈硬化の芽が出ている」とは大国真彦日大医学部名誉教授が研究した結果 ですが、美食・飽食に明け暮れていた、バブル前の日本人の姿です。

 バブル終焉から10数年もたち、不況がつづく中肥満細胞の食指が動くままに食い荒らす様は、まるでねずみと同格。戦後、食糧難時代の最大の置き土産は、糖尿病をはじめ慢性病が激減したことでした。今、その2世代3世代のチュウ君たちの様相は、1日たりとも食の制限ができない質に育っています。これでいいのかニッポン、と叫びたい。


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