健康ファミリー 2002年1月号掲載

●食生活習慣の切り換えを! 

 国民医療費(国民1人当たり1年間に使った費用)が30兆円の大台に突入したことから、医療制度のあり方をめぐって激しい議論が展開されています。

 医療改革に向け小泉内閣は平成13年11月末を目途に動いてはいるものの、医師会側の思惑と政治献金を受ける厚労族議員を中心に、「診療報酬は下げるな。医療費の上限制限はけしからんの大合唱だった」。(日経)

 つまり、医師会側は診療報酬の据え置きはやむを得ないとしても、引き下げと、高齢者医療費の伸び率が現行上限なしのところ、厚労省案の4〜5%の伸びを上限とし、これを超えると2年後には、診療報酬を削減する、という骨子に反対しているのです。この方式は「高齢者を病院から締め出す制度だ」と反対しているわけです。

 こうした中でも、平成14年10月からは、サラリーマン本人の負担は、現行2割から3割に引き上げられることが決まっていて、じわじわと締め付けられるのは一般国民ですからやりきれません。

 国勢調査(平成12年10月1日現在)によれば、日本の総人口は1億2692万人で、前回調査(平成7年)より135万5597人増加しています。内訳は男性が6211万764人、女性が6481万5079人。年齢別では65歳以上の老年人口は、2200万5152人と、総人口に占める割合は、17・3%となります。

 こうした老年人口の増加は、そのまま医療費の増加へとつながるわけで、そこに無駄な医療費の使われ方も生じてくるわけです。その中身は患者の訴えから医師の判断が加わり検査に次ぐ検査の連続。いわゆる検査漬けで、体力のあるなしにかかわらず行なわれる検査にはじまり、高額医療費の患者へと歩むのです。

 ガン、脳血管障害、心臓病とくれば高度医療機器を使っての治療ですから、診療報酬請求は当然高額になります。最近では糖尿病から腎障害へ進み、人工透析をうける患者が急増しているようですが、こうした医療人口の増加も、高額医療費の押し上げになっているのです。

 老年人口といわれる65歳以上ともなれば、大多数が何らかの疾病をかかえるのは当然です。「だから病気になったら医者や薬にまかせればいいのだ」という考えを改めてほしいと願うのが本誌の主張なのです。その基本となるのが食生活であって、体を動かし、脳を働かせ、精神(心)のゆとりをもって健康づくりを心がけてほしいのです。

 生活習慣病につながる肥満、グルメ志向、運動不足の中高年は、その生活習慣の切り換えを1日でも早くしてほしいのです。なぜなら、ガン細胞の芽がやがてとり返しのつかない大きさにまで成長するのが、一般的に10年とか15年といわれます。糖尿病も、家族的な因子をもっていれば、その芽は放っておくとやがて大きくなって合併症を起こします。

●内臓年齢を考えて!  

 話を食生活に戻せば、白米、白砂糖、動物性食品・脂肪、インスタント食品などの過食は、一時の味覚の満足は得られたとしても、生活習慣病の芽を育てる肥やしに過ぎないと考えてほしいのです。

 狂牛病騒動での肉の消費が一時低迷しているそうですが、「肉が唯一絶対の栄養源だ」と考えている人は別にして、人間のたん白質は、牛や豚や鶏などの動物性たん白質によってのみ造られる、といった考えは改めるきっかけになったと思います。ご存じの通り、三大栄養素のたん白質、脂肪、炭水化物の栄養素のものを食べたとき、体の中で、それぞれの栄養素が、そのままの形で吸収されて細胞に造りかえられるわけではありません。つまり、たん白質がたん白質となり、脂肪が脂肪となって蓄えられるわけではないのです。

 私たち日本人の健康的な食生活の基本は、主食としては玄米、時に分搗き米にハト麦、丸麦、アワ、キビ、ヒエ、といった雑穀を加えた、穀物食が中心となります。主食である以上これらの成分を消化・吸収して体細胞が成り立つと考えるのです。

 これらの主食を補うのが副食です。その第一が味噌、醤油、酢や味醂といった発酵調味料です。こうした調味料によって魚介や野菜類が調理され、主食を補ってきたわけです。さらに発酵食品は、納豆やかつお節、漬け物やくさやといったものが支えて、食生活を豊かにして、人の健康を支えてきたのです。最近では韓国の発酵食品・キムチが日本人にかなり浸透してきましたが、副食の基盤は発酵食品がベースになっているのです。

 牛乳そのものは色々と問題がありますが、牛乳を発酵させたチーズや本物ヨーグルトは立派な発酵食品です。吟醸酒のアルコール添加をしないものは立派な発酵酒です。

 こうした主食と副食を基本に考えれば、生活習慣病を云々されることもないし、たとえ病気になったとしても自己免疫力が働いて、早めに回復させることもできます。つまり病気の元は、食べ過ぎにあるのですから、病名がついた疾病に悩んでいる場合なら、玄米雑穀を主食に、発酵食を副食として、それまでの量を腹八分か六分程度に食べることです。

 先にも書きましたが、65歳を過ぎたら老年人口の仲間入りです。50歳前後で男女共に更年期に入りますが、これを境に弱った臓器や神経筋肉や骨格のあちこちにいわゆるガタが生じるものです。だからこそ、50歳を過ぎて10年刻みの健康年齢と内臓年齢を考えながら、体に対しての労りの食生活してほしいのです。

 見た目年齢は若くても、内臓年齢は確実に歳をとっているわけで、まして現に疾病を抱えていれば、実年齢を超えて、内臓年齢は弱っているからなのです。


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